植物の趣味が高じてくると、たまに耳にするようになる、ワシントン条約やCITES(サイテス)という言葉。聞いたことはあるけれど、一体どういう意味なのか?今さら聞けない!という人のためにざっくり説明いたします!

そもそもワシントン条約・CITESって何なの

ここは詳細を書くとかなり長くなってしまいますので、とりあえず、世界共通で定められた「生き物を守るための法律」だと思ってください。動物も植物も生き物ですので、ワシントン条約の一覧に記載された品種は保護対象となります。逆に、一覧に記載がなければ保護対象ではないので、自由に輸出入できる、という事ですね。 ワシントン条約の正式名称が「絶滅のおそれのある野生動植物種の国際取引に関する条約」で、これを英語にするとConvention on International Trade in Endangered Species of Wild Fauna and Floraとなります。頭文字を取って主にCITES(サイテス)と呼ばれます。

どの植物がCITESの対象なの?

CITESには、付属書という物があり、そこに保護対象となる動植物がリストされています。I類とII類という分類があり、I類の方が厳しく基本的に国家間の取引は無理で、II類は書類を取れば商業取引OKとなっています。
また、I類には輸入許可が必要ですが、II類には輸入許可は不要です。

よく目にするので、そんな品種も?と思いがちですが、アロエ全種、パキポディウム全種、ユーフォルビア全種、アボニア・アナカンプセロス全種、サボテン全種はCITESの規制植物です。他にもソテツやオニソテツ(エンセファラルトス)なども規制対象です。
CITESに入っているからと言って、販売してはいけないわけではなく、あくまでも、国家間の移動に規制がかかるだけです。
また、CITESとは関係なく、特定の国からは輸入できない「輸入禁止品目」というのもあります。

CITES記載の植物、メデルではどうやって輸入しているの?

メデルでは、ヨーロッパ、アジア、アフリカ、アメリカなど、さまざまな国や地域から植物を輸入していますが、ちゃんとCITESの許可を得ている輸入元に依頼して輸入しています。CITESの書類は全世界共通ですが、国ごとにちょっとずつデザインが違うので、何度も輸入しているといろんな国からの書類があって面白いです。
タイからきたCITES書類
これはタイからのCITES書類。ガルーダが印刷されています。

CITESの書類の発行スピードも国ごとで違います。申請から書類が出来上がるまで1ヶ月ほどかかる国もありますし、1日でできてくる国もあります。この辺をしっかりと計算して、途切れないように商品を入荷するのは、お店としての腕の見せ所ですね。

CITES I類の植物は諦めるしかない?

実は、I類でも輸入できる方法があります。
CITESのI類に記載されている植物でも、「原産地証明書」を現地のナーセリー(育成者)が取得できれば、II類扱いとなり、商業取引が可能なのです。とはいえ、I類の原産地証明書を取得するのは非常に手間がかかるため、個人でナーセリーに頼んだらやってくれる、という物ではありません。
お店や輸入業者が頑張って現地のナーセリーにお願いしていくしかないのです(^^;;



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