ユーフォルビア・スザンナエ (ドラゴンボール or 瑠璃晃)(Euphorbia suzannae)は南アフリカ原産の人気ユーフォルビアです。今回の記事では、普通には出回らないいろいろなタイプのスザンナエをご紹介していきます!

全ての始まりノーマル株

ユーフォルビア・スザンナエ (ドラゴンボール or 瑠璃晃) ノーマル株

ユーフォルビア・スザンナエを知るなら、まずはノーマル株から。深緑の丸い球状のボディ、それを覆うようについているトゲ(痛くない)、そしてたくさんの仔株がついて、最終的にはカタマリになって群生していきます。カタチもユーモラスで、育てやすい。スザンナエの魅力をたっぷりとご紹介します!

意外と寒さに強く、冬場は乾燥させて育てれば0度ぐらいの寒さには耐えますが、夏は真夏の直射日光で日焼けする事があります。風通しのよい場所で、水はけの良い用土で育てましょう。夏場や湿度が高い時期に腐らせやすいので、多肉の中でも乾燥ぎみで育てましょう。現地は風が強く降雨量も少ないらしいので、土中の水分がすぐ乾くのがスザンナエにとって本来育ちやすい環境なのではないでしょうか。

スザンナエと言えば球状のボディですが、キレイな球に仕上げるには種から育てる、つまり「実生(みしょう)」でなければダメです。吹いた仔株を枝挿ししても、うまく丸くならず、長細い株になってしまいます。仔沢山なスザンナエ、とりあえずカットして挿しておけばいい、というモノではないんですね。

他のユーフォルビア同様、雄株と雌株がありますので、もし実生にチャレンジしたい!と思ったら、最低でも2株、雄株と雌株が1株ずつ必要になります。種をつける雌株は特に重要ですので、見つけたら確保!しちゃいましょう(笑
また、ユーフォルビアですので、ボディが傷ついた時には白い樹液が出ます。この樹液は弱いですが毒性がありますので、樹液がついた手で口や目を触らないように注意しましょう。

スザンナエは基本は1つのボディ(枝)に1つ、天辺に成長点があります。後ほど紹介しますが、レアケースで成長点が複数に分裂する「分頭株」、扇状になる「綴化株」などの変異株があります。こういったレア株は普通に枝挿しでは発生せず、全て実生した場合にのみ数百株に1株という頻度で稀に出る個体で、物によっては通常の何倍もの値がつくことがあります。

さて、スザンナエのベーシックな部分がわかった所で、ちょっとマニアックなレア株をご紹介します。

スザンナエの白肌株

ユーフォルビア・スザンナエ (ドラゴンボール or 瑠璃晃) 白肌株(レア)

通常深い緑色をしているスザンナエですが、わずかに白みのある株が育つ事があります。(肥料切れの色ではないんですよ~)こういった株の中で、特に白みが強い株を白肌株と呼びます。トゲの出方などは通常株と同じですが、とにかく肌の色味がキレイで、通常株と並べると面白いバリエーションです。

スザンナエのヘラ棘株

ユーフォルビア・スザンナエ (ドラゴンボール or 瑠璃晃) ヘラ棘株

一般的に特に呼び名が決まっているわけではないのですが、便宜上、メデルでは「ヘラ棘株」と呼んでいるのがこの写真のスザンナエのタイプです。尖っているはずの棘の先がヘラのように平らになっているのが特徴で、日に当たると先端が少し赤く色づく株もいます。写真の株は若干白肌もはいっていますので、オリジナルと比較すると、ホントにこれスザンナエ?と聞きたくなってしまいます。

スザンナエの大棘株

ユーフォルビア・スザンナエ (ドラゴンボール or 瑠璃晃) 大棘株 スタンダードな大棘株。 ユーフォルビア・スザンナエ (ドラゴンボール or 瑠璃晃) 大棘波模様株 少し白肌で、ボディの模様がきれいな株。 ユーフォルビア・スザンナエ (ドラゴンボール or 瑠璃晃) 大棘株仔株か花芽か、すごく沢山吹いている株。


ノーマル株よりも棘の数が少ないかわりに、太い棘が出ているタイプ。大きく育てると、かなり迫力があって面白いのが特徴。仔株が出てきてもあえてすぐ取ってしまって、親株を大きく育てるのも面白い。ヘラ株になる株と、先端が尖ったままになる株とあって、バリエーションとして楽しめる。

スザンナエの分頭株

ユーフォルビア・スザンナエ (ドラゴンボール or 瑠璃晃) 分頭株 分頭株。成長点がたくさんあるので、ランダムな樹形に成長する過程が楽しめる。 ユーフォルビア・スザンナエ (ドラゴンボール or 瑠璃晃) 大量分頭株 大量に分頭した株。はやく成長した所が見てみたい! ユーフォルビア・スザンナエ (ドラゴンボール or 瑠璃晃) 細葉分頭株 細葉タイプの分頭株。ミニチュアのアガベ・吹き上げのような見た目。


本来1つのボディに1つしかないはずの成長点が2つ以上になった株を分頭株と呼びます。最初は1つだった成長点が2つ、3つ、と増えていき、ノーマル株では絶対にありえない樹形に成長していくのが楽しい株です。
分頭はどこで起こるかわからないので、分頭した先でまた分頭・・・なんて事もあるかもしれません。見たことはないですが、ありえるとは思います。ぜひ成長させて見つけてみたいですね。

スザンナエの綴化株

ユーフォルビア・スザンナエ (ドラゴンボール or 瑠璃晃) 綴化株 いい感じで丸いボディを保ったままの綴化株。 ユーフォルビア・スザンナエ (ドラゴンボール or 瑠璃晃) 細葉綴化株 繊細なイメージの細葉の綴化株。

最後にご紹介するのが変わり株の代表格、綴化株です。ですが、今回の写真の株は普通の綴化株ではなく、途中までは普通に育った株が途中で綴化したタイプです。根元から扇状になるのではなく、球状のボディを保ったまま、成長点だけが綴化しているのが特徴。ここからどんな風に育つのか・・・これは育ててみないとなんともわからないですね。10年20年と育てたら一体どんな株になるのか、ぜひ見てみたいです。

まとめ

ユーフォルビア・スザンナエ (ドラゴンボール or 瑠璃晃)はとても育てやすく、スタンダードな多肉植物ですが、まだまだ知られていない魅力がいっぱいあります!このページを見て、もっとスザンナエについて興味をもってもらえたら嬉しいなと思います。
この機会にぜひユーフォルビア・スザンナエを育ててみませんか?



関連記事
メデルは移転しました! ...続きを読む
南アフリカ原産の塊根系植物、Tylecodon bodleyae(チレコドン ボドレイアエ)についてもっと知りたい! ...続きを読む
南アフリカ原産の塊根系植物、Tylecodon fragilis(チレコドン フラギリス)についてもっと知りたい! ...続きを読む
ちょっと多肉趣味が進んでくると必ず手を出すハオルチア!しかし、育て方にいろいろ戸惑いが多いのも事実です。そんな疑問をスッキリ解決しちゃいます! ...続きを読む
いろいろな所で目にする実生(みしょう)という単語。この株は実生だから...とショップやセリ会、ブログなどで見たり聞いたりはしたものの、結局なんなのかよくわかっていない!というみなさんへ。 ...続きを読む
植物の趣味が高じてくると、たまに耳にするようになる、ワシントン条約やCITES(サイテス)という言葉。聞いたことはあるけれど、一体どういう意味なのか?今さら聞けない!という人のためにざっくり説明いたします! ...続きを読む
連載第二回となりました!
前回は「統一感」というキーワードを頭に入れて配置するとかっこよくなるんだよ、という所までは何となくわかって頂けたかな~?と思います。ただ、統一感って、わかっちゃいるけどやめられないエビ煎的な、ふわっとわかってはいるんだけど、具体的によくわからない、という人も多いかと思います。そこで今回は、もう少し具体的な内容として、見た目の印象が変わりやすい植物の「密度」に着目してみます!
...続きを読む
新連載記事開始!
もっと素敵なレイアウトを考えてみませんか?

...続きを読む
いろいろな事情で植物を手放さなければいけない...そんな時に力になりたいと思い、サボテン・多肉植物の買い取り・引き取りサービスを始めました! ...続きを読む
サボテン・多肉ファンの皆さま、お待たせしました!メデル店長が今までの多肉趣味で培ってきた用語/単語集ができました! ...続きを読む
Medelle 多肉植物の店~メデル~にはいろいろな多肉植物やサボテンが入荷します。
個性的な姿形をしている品種、面白い背景を持つ品種など、いろいろとご紹介できたらと思っています!
今日ご紹介するのは、晃山(光山) Leuchtenbergia principisというサボテンです。この不思議な形のサボテンについて、もっと知ってみましょう! ...続きを読む
皆さん、道具使ってますか?
最初の多肉植物ってホームセンターだったり、雑貨屋さんなどで買うことも多いと思います。そうすると、道具って「100均でいいや…」となりがちなんですが、いざ使ってみると、やっぱり100円の道具は使い物にならない事が多いのです。
生花と違って、長いお付き合いになる多肉植物。どうせなら、道具もいい物を使いたいなと思った時に何を買ったらいいのか?どんな基準で選んだらいいのか?メンテは?価格は?
いろいろな質問を刃物の専門店さんに聞いてきました! ...続きを読む
Medelle 多肉植物の店〜メデル〜が岡崎市を含む三河エリアの情報誌「咲楽」に掲載されました! ...続きを読む
サボテンは存在が確認されているだけで5000種を超えると言われていますが、1属1種の品種はその中でも珍しい存在です。今回の植物記事では帝冠、Obregonia denegrii(オブレゴニア・デネグリイ)をご紹介します。 ...続きを読む
5000種にもなるといわれるサボテンたちは多肉植物の中の一大勢力。
どこか愛嬌があって、かわいいですよね。そんなサボテンが登場するテレビCMを集めてみました。 ...続きを読む
新しい事をいろんな人とやりたい!と活動を続けているMedelle 多肉植物の店~メデル~ですが、今回は鉢業界の中でも格調の高い「おもと鉢」の製造をされている安城市の(有)愛楽園さんとのコラボレーションが実現しました! ...続きを読む
岡崎市の名物タウン誌リバ!(正式名称:一番ディープな岡崎本リバ!)に掲載されました!掲載されたのは「街ネタ」コーナーで、34ページにMedelle 多肉植物の店~メデル~の紹介がされています。
...続きを読む
みなさん多肉植物育ててますかー?
暑くなる夏、多肉植物にとっても大変な時期ですね。この人にも植物にも厳しい夏を乗り切るためにも、また、その後に控えている秋・冬のためにも、多肉植物を育てるときにぜひ知っておいてほしい5つの事があります。 ...続きを読む
2014年6月15日、愛知県岡崎市に待望の多肉植物専門店「Medelle 多肉植物の店~メデル~」がオープンしました! 多肉植物のみの販売としては市内初、近隣の豊田市、安城市、知立市などにも専門店がない事から、エリア内の多肉植物愛好家には嬉しい知らせ!? お近くに来られた際は、ぜひお立ち寄り下さい! ...続きを読む