全ての始まりノーマル株
ユーフォルビア・スザンナエを知るなら、まずはノーマル株から。深緑の丸い球状のボディ、それを覆うようについているトゲ(痛くない)、そしてたくさんの仔株がついて、最終的にはカタマリになって群生していきます。カタチもユーモラスで、育てやすい。スザンナエの魅力をたっぷりとご紹介します!
意外と寒さに強く、冬場は乾燥させて育てれば0度ぐらいの寒さには耐えますが、夏は真夏の直射日光で日焼けする事があります。風通しのよい場所で、水はけの良い用土で育てましょう。夏場や湿度が高い時期に腐らせやすいので、多肉の中でも乾燥ぎみで育てましょう。現地は風が強く降雨量も少ないらしいので、土中の水分がすぐ乾くのがスザンナエにとって本来育ちやすい環境なのではないでしょうか。
スザンナエと言えば球状のボディですが、キレイな球に仕上げるには種から育てる、つまり「実生(みしょう)」でなければダメです。吹いた仔株を枝挿ししても、うまく丸くならず、長細い株になってしまいます。仔沢山なスザンナエ、とりあえずカットして挿しておけばいい、というモノではないんですね。
他のユーフォルビア同様、雄株と雌株がありますので、もし実生にチャレンジしたい!と思ったら、最低でも2株、雄株と雌株が1株ずつ必要になります。種をつける雌株は特に重要ですので、見つけたら確保!しちゃいましょう(笑
また、ユーフォルビアですので、ボディが傷ついた時には白い樹液が出ます。この樹液は弱いですが毒性がありますので、樹液がついた手で口や目を触らないように注意しましょう。
スザンナエは基本は1つのボディ(枝)に1つ、天辺に成長点があります。後ほど紹介しますが、レアケースで成長点が複数に分裂する「分頭株」、扇状になる「綴化株」などの変異株があります。こういったレア株は普通に枝挿しでは発生せず、全て実生した場合にのみ数百株に1株という頻度で稀に出る個体で、物によっては通常の何倍もの値がつくことがあります。
さて、スザンナエのベーシックな部分がわかった所で、ちょっとマニアックなレア株をご紹介します。
スザンナエの白肌株
通常深い緑色をしているスザンナエですが、わずかに白みのある株が育つ事があります。(肥料切れの色ではないんですよ~)こういった株の中で、特に白みが強い株を白肌株と呼びます。トゲの出方などは通常株と同じですが、とにかく肌の色味がキレイで、通常株と並べると面白いバリエーションです。
スザンナエのヘラ棘株
一般的に特に呼び名が決まっているわけではないのですが、便宜上、メデルでは「ヘラ棘株」と呼んでいるのがこの写真のスザンナエのタイプです。尖っているはずの棘の先がヘラのように平らになっているのが特徴で、日に当たると先端が少し赤く色づく株もいます。写真の株は若干白肌もはいっていますので、オリジナルと比較すると、ホントにこれスザンナエ?と聞きたくなってしまいます。
スザンナエの大棘株
スタンダードな大棘株。 少し白肌で、ボディの模様がきれいな株。 仔株か花芽か、すごく沢山吹いている株。
ノーマル株よりも棘の数が少ないかわりに、太い棘が出ているタイプ。大きく育てると、かなり迫力があって面白いのが特徴。仔株が出てきてもあえてすぐ取ってしまって、親株を大きく育てるのも面白い。ヘラ株になる株と、先端が尖ったままになる株とあって、バリエーションとして楽しめる。
スザンナエの分頭株
分頭株。成長点がたくさんあるので、ランダムな樹形に成長する過程が楽しめる。 大量に分頭した株。はやく成長した所が見てみたい! 細葉タイプの分頭株。ミニチュアのアガベ・吹き上げのような見た目。
本来1つのボディに1つしかないはずの成長点が2つ以上になった株を分頭株と呼びます。最初は1つだった成長点が2つ、3つ、と増えていき、ノーマル株では絶対にありえない樹形に成長していくのが楽しい株です。
分頭はどこで起こるかわからないので、分頭した先でまた分頭・・・なんて事もあるかもしれません。見たことはないですが、ありえるとは思います。ぜひ成長させて見つけてみたいですね。
スザンナエの綴化株
いい感じで丸いボディを保ったままの綴化株。 繊細なイメージの細葉の綴化株。最後にご紹介するのが変わり株の代表格、綴化株です。ですが、今回の写真の株は普通の綴化株ではなく、途中までは普通に育った株が途中で綴化したタイプです。根元から扇状になるのではなく、球状のボディを保ったまま、成長点だけが綴化しているのが特徴。ここからどんな風に育つのか・・・これは育ててみないとなんともわからないですね。10年20年と育てたら一体どんな株になるのか、ぜひ見てみたいです。
まとめ
ユーフォルビア・スザンナエ (ドラゴンボール or 瑠璃晃)はとても育てやすく、スタンダードな多肉植物ですが、まだまだ知られていない魅力がいっぱいあります!このページを見て、もっとスザンナエについて興味をもってもらえたら嬉しいなと思います。
この機会にぜひユーフォルビア・スザンナエを育ててみませんか?
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